阪神電車旅客案内システムの動向についてのまとめと考察

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阪神電車の各主要駅ではこのような列車案内表示器(以下発車標)が設置されています。
2009年の阪神なんば線開業前に尼崎駅、魚崎駅で置き換えられ現在では全てこの形式となっています。

旧来の発車標を撤去し全駅で更新工事が完了したのは2016年の3月です。

ちなみに旧来の発車標を残しておくことの問題点は
・行き先の入れるバリエーションが少なく表示できないものは空欄になったりする場合がある(かつての天理臨難波行き、三宮駅などで正しく表示できなかった)
・駅ごとに必要な情報が正しく共有できないので支離滅裂になる可能性がある(山陽普通などかつての三宮駅の発車標では共通で普通表示だった)
・液晶系や3色LEDでは旅客に対してやや把握しづらいところがある
西宮駅三宮駅では乗車位置案内が後天的に付けられたため停車駅と並行して見ることが出来ない(停車駅の後に乗車位置を表示する仕様だった)
・番線単一型の為発順の把握に時間がかかる(野田駅西宮駅)

などが挙げられます。
これらを改善することにより情報を得やすくなったのはもちろん、2016年のダイヤ改正以前では出来なかった設定が可能になったりしています。(快速急行大和西大寺行きなど。旧発車標では大和西大寺行きは表示不可能だった)

そしてこれらが完了した後に何が行われているのかと言うと非詳細型の列車案内実装です。
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2015年8月に神戸三宮駅に設置を開始した情報案内ディスプレイです。
これが阪神電車内で大きく普及し始め今まで発車標がなく時刻表とにらめっこしていたような駅でもこれにより次の電車の情報が確認できるようになりました。

かつては発車標と互換性が完全にあったわけではなかったのですが2016年2月、このディスプレイの情報表示に合わせたシステム更新が行われることになります。
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発車標や放送では今まで姫路、須磨、難波、奈良といった案内だったのですがこれがそれぞれ山陽姫路山陽須磨大阪難波近鉄奈良といった正式名称での案内に変更され、遅れ表示も実装されました。

これにより一応は列車案内システムが共通化することになります。
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それはそうとかつて神戸高速線は山陽特急、阪急、阪神特急の3つがありそれぞれ停車駅が異なりその区間で各駅に停車する場合は全て普通表示にしていました。

しかし2016年ダイヤ改正高速神戸始発の山陽特急が直通特急に置き換えられ、それにより全設定種別通りの案内が行われることになりました。

それと同時に神戸高速線は阪神電車仕様の放送に変更されました。

変更前は阪神電車の互換性はほぼなかったのですがここにきて少しずつこちらも統一されつつあります。

2016年3月に遅ながらも正式名称での案内となりましたが未だに遅れ表示や位置案内放送といったものは実装されていません。

ですが9月に神戸高速線でも独特の雰囲気を残しつつ阪神仕様の情報案内ディスプレイが設置されました。
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本線やなんば線との相違点は
・駅名は阪急、阪神で重複している場合それぞれ阪急、阪神がつく
・普通、急行、特急、快速急行の表示はそれぞれ阪急、阪神での種別色に使い分けられている
・一部案内が「連絡いたします」といった神戸高速線での案内に基づいて表示されている
といったところでしょう。
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逆に現在設置されている発車標との相違点もありそれは
・阪急、阪神の表示は発車標では尼崎や西宮北口といった行き先に対しても付いている
・山陽普通は共通で普通表示となっている
阪神電車内の共通の案内が表示されず、代わりに発車標で独特の案内がされている
ところでしょう。

この統一されていない部分を見ると発車標の設置されている時期を考慮してもおそらく今年中に神戸高速線の発車標が置き換えられてしまう可能性が高いです。

特に高速神戸は19年、新開地は20年間設置されている富士通機電産(現富士通フロンテック)のものなので今までの発車標更新工事やシステム更新の時期を見ても3カ月以内には阪神電車仕様の発車標に更新されるでしょう。

新たに阪急仕様の普通、快速急行表示や通勤急行、通勤特急表示が見られるという期待もありますがあのレトロな雰囲気が一つ失われる前に記録は今のうちにした方がいいです。

神戸高速線も少しずつ阪神電車の魔の手が迫っているのでこれまた統一される可能性はなきにしもあらず。私からは悔いなく更新を迎えられることを祈ります。