2019年10月12日に東海、関東地方を中心に暴風と豪雨で猛威を振るった台風19号ですが、関西では物理的な被害は幸いなかったものの、当日各鉄道会社では一部運転見合せや遅延が発生することとなりました。
阪神電車では11:03頃に神戸三宮から御影間(約1時間後に西宮まで拡大)の運転を見合わせる事態となりました。(大阪梅田から西宮までは普通と急行のみの運転に)
こんな台風でも滅多にダイヤが乱れず強いと言われている阪神電車で今回何故大石駅がトリガーだったのか疑問に思った方が当時多数いたかと思いますが、その理由は大石駅での風速計の記録が規定値を突破したからです。
それと同じ理由で後に魚崎駅でも規定値を突破したという関係上西宮まで見合わせ区間が拡大した…という流れになっています。
阪急神戸線は全区間動いていましたが、阪神電車の運転見合せをきっかけに特急は徐行運転開始と同時に徐々に本数を減らし最終的に普通のみの運転という対応を取っていました。
そんなわけで、軽く当時の状況を説明したところで早速見合せ直後の大阪梅田駅を見てみましょう。
普通 御影行き
そんなわけで早速定期設定なしの行先におでましです。普通 御影行きですが先述の通り西宮まで見合せ区間が伸びたため御影まで無事辿り着けたかどうかは定かではありません。
尼崎駅では5700系に遭遇しましたが、きちんと御影行きになっていたのは前面と側面だけで車内表示は高速神戸行きのままでした。どうやら設定するところはそれぞれ別にあるようで…
鉄道珍行先画像wikiにも載せておきました。雨粒で再現は難しいとは思いますが参考にしたい方はどうぞ。
神戸高速線での運転状況
場所は変わって高速神戸駅、途中今津線経由でやってきましたが直通特急はこの時点で既に現在定期設定のない東二見行きとなっていました。以前ご紹介した通り、山陽車両のみ対応しております。
新開地駅の発車標はご覧の通り。ディスプレイに置き換わってからは初の事例かと思われますがきちんと反映されていました。
また、途中から阪急神戸線も特急上りは西宮北口行きとなっていましたが、完全な運転見合せではないということなのか、終始発車標は「阪急 大阪梅田行き」のままでした。
そして、特急が完全に運転を終了した後は本数を減らしつつ阪急神戸三宮から新開地までの便が運転されていましたがご覧の通り種別行先が完全に一致していないという状況が続いていました。これは如何に。
一方、阪神電車も阪神神戸三宮までの運転ということもあり、高速神戸からジェットカーの三宮行きが見られるというもはやあり得ない次元の状態が続いていましたが、これだけに留まることを知りません。
【阪神神戸高速線】直通特急 阪神神戸三宮行き/東二見行き ほか放送集 (台風19号の影響による遅延)
ということで、本日収録した放送がこちらとなります。簡易放送は後ほど紹介しますが、まずは直通特急 阪神 神戸三宮行きです。
東二見行き同様、定期設定はなく山陽車両もちらほら運転されていました。LED車両では対応できますが今回は幕式しかなかったのが惜しいところです。
この時点で特ダネと言ってもいい代物ですが、問題は新開地駅と高速神戸駅での「放送の内容」でした。
先程紹介した放送をお聞きいただけたでしょうか?そう、本来阪神大阪梅田行きである直通特急は阪神なんば線への乗り換え案内があるのですが、設定を物の見事に消し忘れており、阪神神戸三宮行きであるにも関わらず、「難波、奈良方面へお越しの方は尼崎でお乗り換えください」と言った物理的に不可能な内容の案内をそのままぶつけてきました。
というよりもし乗り換え先が阪神神戸三宮であったとしても運転を見合わせているのでどちらにしろ無理なんですけどね()
特急でもご覧の通り、「難波、奈良方面へは尼崎でお乗り換え願います。」がそのまま放置されておりそのカオスさが伺えます。
地味に2016年改正前の設定が復活したと言ってもいいかもしれませんがその当時は神戸高速線内ではまだ「普通」の案内だったので厳密には違いますけどね。
そして実際、特急 神戸三宮の幕でやってきましたがLEDは何度か記録したことがある方もいるかと思いますが幕式は以前ダイヤ改正直前まで「三宮」のままだったのでかれこれ数日しか記録できなかった光景がここにきてまた現れたということになります。もちろん貴重でございます。
どちらにしろ発車標が置き換わってからは初の珍百景となります。
そして後に流石に高速神戸では重い腰を上げて、なんと上り全ての表示を取りやめ、簡易放送となっていました。
今回の動画を見て、確か「電車が近づいてまいります」って今は香櫨園でしか聞けないのでは…?、簡易放送ってこれ以外にもあるのでは…?と勘付いている方もいるでしょう。ご名答。
そう、実は阪神電車では一部表示取りやめと完全な表示取りやめとでは仕様がこのように異なるのです。
その仕様を表にまとめるとこんな感じです。一部表示取りやめでは発着順、種別といった内容や通過、当駅止まり、回送といった非営業設定の判別も可能ですが、完全表示取りやめの場合は種別はおろかその判別すらできなくなります。
高速神戸の発車標の仕様は以前ご紹介した独特の状態で動きますが本来、従来の阪神電車の発車標ではスクロール表示以外真っ暗になり、接近時も「電車が接近します。」となります。
阪神電車の簡易放送と高速神戸駅発車標の挙動
— 三神路 -さんしんじ- (@Coco_Sanshinji) 2019年10月15日
このように放送や動きは完全に固定されています
発車放送が通常なのは割と謎だったりする pic.twitter.com/ZTnccaoBHR
接近放送は一部取りやめの場合は貸切と同じ文面ですが、完全な表示取りやめの場合は「電車が近づいてまいります」となり、接近中メロディも駅の個別設定に関わらず必ず5コーラス固定で流れる仕様となっています。
山陽電車の状況
そして、山陽電車は東二見行きであるにも関わらず何故か表示は姫路行きのままでした(画像なし)が、阪神神戸三宮行きに関してはきちんと対応されていました。
放送の収録はミスったのでカットで…(´・ω・`)
ちなみに、東二見行きは神戸高速線でも時々山陽姫路行きのままになっているところもちらほら見受けられました。
そして、最終的に17時頃に運転再開となり普通から徐々に直通特急(特急)、快速急行の順に通常運転に復帰しました。
一時は最悪な事態も予測していましたが、関西では何事もなく台風一過となったので良かったです。
関東地方では甚大な被害をもたらしたそうですが、一刻も早く日常への復帰を祈るばかりです。