高速神戸駅の発車標がついに更新!(2021年5月)

この世の全てのモノには寿命がある。

 

それは雨の日でも風の日でも、「目の前の乗客を目的地へ導くために道標を示す」という自らの使命を全うするため、一人一人の日常を彩っていた。

 

役目を終えたモノはまた次のモノに引き継がれる。

そう、高速神戸駅の発車標もまた、静かな日常に人知れず「さよなら」を言う時が来てしまったのである……

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ということで2021年5月11日、長らく更新が待たれていた「高速神戸駅の発車標」がついに置き換えられることになりました。

 

今回登場した新発車標は2年前に設置された新開地駅と同じディスプレイ形式ではありますが、4ヶ国語対応がされたことにより一部内部の意匠が変更されています。

 

ということで、今回は旧発車標の撮り納めと新発車標の仕様、そして新発車標設置により起きた変化をお伝えします。


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新発車標の紹介の前に、まずは駅放送の確認です。

 

新開地駅同様、(予想通り)新発車標の設置と共に高速神戸駅にも予告放送、乗車位置案内が追加され、タイミングなどの仕様は他駅と同様となっています。

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また、発車標の置き換えと共に色々と古き良き風景が抹殺されてしまった新開地駅とは対照的に、高速神戸駅では神戸高速管轄時代の乗車位置や「阪急車両」と書かれた茶色の乗車位置はそのまま残されています。

 

そのため、阪急方面の案内を務める1番乗り場ではそれに合わせてやや赤紫っぽい色の背景に仕上がっています。

 

両数によって乗車位置が分かれていたかつての新開地駅とは違い、高速神戸駅では2016年張り替え時点のものでも十分対応可能な範囲だったのであえてそのままにして、それを活かした形にしようと判断したのでしょうね。

 

そして、肝心の4ヶ国語対応についてですが、こちらは英語→中国語(簡体字)→中国語(繁体字)→韓国語→…の順で表示される仕様となっています。

 

英語では、「STOPS」といった形で停車駅案内を出すのも旧発車標の要素が出ているので高評価です。(下のご案内の部分では英語表記が出せなくなりましたが)

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中国語や韓国語ではきちんと色とりどりの特急(通勤特急直通特急、山陽S特急……)の区別ができるのですが、英語のみ阪神電車の元の表記を意識したままになっており、どれも「LTD. EXP.」のままという阪神電車の悪いところが出ています。

 

阪急さんは通勤急行、通勤特急の表記を「Commuter Exp.」や「Commuter Ltd. Exp.」にしましたのに…色々とミスマッチで惜しいところです。

もちろん、回送も「NON-USE」のままになっています。

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そして、最近何故かTwitterで停車駅案内が一駅一駅表示するスタイルに変更されたという話がありましたが、新開地駅及び高速神戸駅では本当にそうだったようで、本来「塚口までの各駅」と案内される部分が「花隈、阪急 神戸三宮、阪急 春日野道、王子公園…(中略)…武庫之荘塚口」となっていました。

 

ただし、阪神アプリでは相変わらず「塚口までの各駅」表記で放送も「塚口までの各駅と〜」のままでした。

もし多国語表記で「〜までの各駅」と表示した場合、色々とややこしいことになろうことは想像に難くないですがどうなのでしょうか…ネタとしては放送も全駅読み上げるスタイルに変えてきても全然アリなのですが……

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また、後日確認すると、新開地駅でも同様の仕様変更が行われており、こちらでは設定ごとに1番乗り場、2番乗り場において「阪急線方面」「阪神線方面」と表示されるようになり今までより分かりやすい仕様になっていました。

 

放送については2019年3月末の更新から変わってませんが、それでも発車標の構成自体が大きく変わったと言っていいでしょう。

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ちなみに、3番線6両についても対応しており、乗車位置は何の変哲もない○1〜6でした。

○2〜7だったら強かったですが、結局、正直ここでわざわざ録る必要はなさそうです。

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撮影した当時はホーム中程と東改札側のみの設置で旧発車標はあらかた残っていましたがそれでも寿命が迫っている、もしくは既に終えている様子が確認できました。

東改札側については大阪梅田方面(❶❷番乗り場側)については完全に置き換えが完了しており、新開地方面(❸❹番乗り場側)に関しては「調整中」の張り紙が貼られており、筐体が残ってはいましたが役目に関しては完全にその生涯を終えていました。

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西改札側では❸番乗り場の表示が「新開ミ地」「SINKユICHI」とバグっており、その死期が迫っていることをひしひしと表していました。

どういった原理でこうなったかについて明確なところは不明ですが、おそらく新発車標との兼ね合いで起こったと見るべきでしょう。

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そして5月22日、5月23日にホームの機体も撤去され、新開地駅を含めると約23年間設置され続けた富士通機電産のフルカラーLED発車標は完全に姿を消しました。

(調整中、TESTの表示だけ結局撮れずに稼働終了したためそれだけが心残りです)

 

運行管理システムが阪神管轄に変わり、表示も2016年改正、2017年の駅名の正式名称呼び、2019年のメロディー追加、駅名変更といった幾度となく行われた変化や遅延などの予期せぬ事態の荒波にも抗い続け、ここまで己の使命を全うし生き続けた発車標に改めて敬意を示します。本当にお疲れ様でした。