【Osaka metro】ファンから悲しみの声…待望の谷町線の英語放送が何故こうなったのか…まとめ

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2018年のOsaka Metroの民営化から3年が経とうとしている中、長い間御堂筋線谷町線では他路線(ニュートラム除く)では既に導入されている駅の英語放送が未だ用意されていない状況でした。

 

この件について旧交通局は「2020年度までに御堂筋線谷町線の各駅に英語放送を導入する」と名言していました。

(参考:http://osaka-subway.com/12ann/)

 

ただし、実際は2020年度が終わってもなお英語放送は導入されず結局2021年になっても放送更新がされないのではないか…と思われていましたが、12月11日にようやく更新が行われました。


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しかし、そこで変わったのは英語放送追加だけではありませんでした。

なんと、Osaka metroでは前代未聞の合成音声を使用するというまさかの事態に。英語放送導入は長らく期待されてましたが、この解釈違いに多くの利用者とファンは衝撃と絶望を受けることとなりました。

 

ここでは、何故谷町線の放送更新が炎上してしまったのかをまとめていきます。

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1.声優さんのリストラ

まずは、谷町線の駅放送が更新される段階における問題について述べていきます。

 

Osaka metroの駅放送を担当しているのは、女声が梅野真由美さん、男声が有田洋之さんで、特に男声の有田氏は他に近鉄の車内放送や関西情報番組ten.のナレーターを担当しているなど幅広く活動されています。

 

この2名がOsaka metro(旧大阪市営地下鉄)で初めて放送を担当していたのが2004年の谷町線の放送からで、そこから順次他路線も梅野有田ペアの放送に更新されていき、Osaka metroの駅放送としての顔を確立していきました。


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そんな中、Osaka metroの広報として始まったOsaka metro公式YouTubeチャンネルの企画である「Metro News」においても有田さんと梅野さんが動画に登場する駅員さんのナレーションを務めることとなり、vol.32の駅メロディを紹介する動画では、事実上公式からご本人により「このアナウンス、実は私たちなんです。」と明言されるなど、その存在が大きくアピールされていました。

 

そのため、この動画を見た多くの方々はこの2人のまま放送が更新されると誰もが確信していたことでしょう。(私も同じでした)

 

しかし、その状況で男女ともに放送担当が公式から何の発表もなく突然外される事態となり、結果として放送更新の大炎上の一因となってしまいました。

 

近鉄神戸市営地下鉄JR東日本の駅放送を担当していた津田英治氏など、明らかな声質の劣化により担当声優が丸ごと差し替えられることはありますが、有田さんと梅野さんの場合はOsaka metro内の広報で活動継続中であり、声質や事務所的な事情を考えても続投可能な状態であることは客観的にも明らかであり、差し替えられる方が不自然であると考えるべきでしょう。

 

こういったこともあり、このまま声優を差し替える方向に進むのであれば、それこそ「Metro News」等で公式からその旨を明言すべきであると考えます。

 

2.合成音声のクオリティ

放送の差し替えそのものの問題点についてまとめたところで、ここからは今回新しく取って代わられた放送の内容について解説していきます。

 

先程述べた2人の声優の代わりに導入されたのが、「合成音声」と呼ばれる最近普及しつつある自動放送システムの一種です。

 

合成音声とは、人の肉声の代わりに機械による声により音声を読ませるというものになりますが、これにより幅広く放送パーツを仕入れることが出来たり声優自身の声質の変化といった問題点が解決する一方で、今の技術では肉声と比べて発音に違和感がどうしても出てしまう点から聞き取りづらいという問題点が存在します。

 

今回の批判殺到最大の要因がこの「合成音声」自体の発音であり、谷町線の場合、特に男声の発音が酷く、天王寺のアクセントが「のう」ではなく「てん」になっていたり、やたら早口で発音されていて本当に聞き取れないです。

また、英語部分はその傾向が大きく表れており、「Yao-minami」が「やよみなみ」に聞こえたり「Higashi-Umeda」の部分で謎の「ゴッ」という音が聞こえたりなど、合成音声が明らかに調教できていないことが伺えます。


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合成音声そのものの問題については、他に阪神電車の車内放送や名城線(名港線)においても導入当初に大きく取り上げられ賛否両論でしたが、これらはまだ早口すぎる点だったり英語放送の発音がやばすぎる点については手段はどうであれきちんと少しでも聞き取りやすくしようという創意工夫が現れており、全てが全て問題点しかないというわけではありません。

 

阪神電車では駅放送において合成音声が使われているのは一部駅の最後の英語放送や啓発放送、遅延時のみであり、名城線については問題すぎる英語放送の固有名詞を根本から流していないなどがその一例ですね。

 

ただし、谷町線の場合はただただ今までの放送の枠組みに合成音声を入れて英語放送流さないといけないという制約に縛られており、接近メロディの最大コーラス数を抑え、その分英語放送を流す余裕を与えるといった工夫は一切ありません。

 

こういった放送の制約解除を行わずその中での枠組みを重視してしまういわゆる「利用者第一の度外視」により合成音声をゴリ押ししてしまったことが今回の最大の問題点であると言えるでしょう。

 

なお、背後では旧放送(有田氏の簡易放送)が流されており、旧システム自体はまだ現存していることからあくまで試験放送であるという見方がありますが果たして…

 

3.案内追加要素の薄さ

そして最後の問題点が、更新された案内要素の薄さです。

 

今まで更新されてきた放送を見ていくと、これまでOsaka metroで更新された放送は大きな追加要素があり、中央線や長堀鶴見緑地線では、コンコース階の最終案内で英語で、

 

「The last train for ○○ will soon be departing.
This is the final service to ○○.」

 

といった内容があり、堺筋線四つ橋線など、後転的に英語放送が追加された線区においても随時追加されていくこととなっていました。

 

しかし、谷町線の駅放送では、今回の更新でもこの文面が追加されることはなく、英語放送があるのはホームの接近放送だけという全体的に他路線の劣化とも言える更新内容でした。

 

これについては正直どう考えても怠慢としか思えない内容であり、今までの更新で追加できていた部分も満足になく更新により追加された画期的な新要素も事実上皆無に等しいことから、これも立派な改悪と呼ばれる要因となってしまいました。

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以上の問題点から、合成音声の声質が酷く、放送の内容も中途半端な部分が山積みであることから、元の声優に戻してほしい、もしくは合成音声を調声してほしいといった声が多数寄せられることとなりました。

 

私もこういったほぼ誰得に近い更新による炎上から、我々が想像していた更新と実際の更新を比較する動画を上げましたが、視聴者からの受けもよく、様々な意見が届きそれらの声を色々と参考にさせていただきました。

 

個人的にはこのまま1年以上このクオリティの合成音声を続けるのは流石にやばすぎるので、合成音声の調声や声の差し替えについて公式のお問い合わせフォームに一石を投じてもいいのではないかと思っています。ただし、実際にやる場合は公式に対し迷惑をかけすぎないよう配慮することを心がけましょう。

 

御堂筋線でもこの酷すぎる合成音声による放送が導入されるのではとかなり不安視されていますが、これから先の動向に注目していきたいところです。