阪神電車の放送を収録する方へ

どうも、お久しぶりでございます。

 

ここ最近阪神電車を収録に臨まれる方が数多く見かけるのでその道のベテランである私が収録する際の注意点やオススメの駅をご紹介したいと思います。

 

これを見てさらに阪神電車の放送収録の輪を広げられたら幸いでございます。

 

収録する際に選択すべき駅について

まずは阪神電車のどの駅で収録するのがベストなのかについてです。

 

阪神電車の駅は主要駅に付帯案内が存在しており、それが阪神電車の放送の魅力の一つと言っても過言ではありません。

ちなみに具体的に付帯案内が付く駅というのは「大阪梅田」「野田」「千船」「尼崎」「尼崎センタープール前」「武庫川」「甲子園」「今津」「西宮」「芦屋」「青木」「魚崎」「御影」「大石」「神戸三宮」「元町」「西元町」「高速神戸」「新開地」「大開」「高速長田」「西九条」「九条」「ドーム前」です。

 

基本的にはこれらの駅の中から収録する駅を選択するのですが、ここで注意すべき点は地上駅の場合、ほぼ全ての駅で深夜になると放送の音量が低下する傾向にあります。

また、島式ホームや乗り場が上り下りでそれぞれ2つ以上ある駅はほぼスピーカーが兼用で使われていて同時に入線したり発車したりすると被る可能性があります。

 

それらを踏まえた上で、ここからは各駅で流れる放送を軽く紹介した上で収録環境の解説をさせていただきます。

 

大阪梅田駅(HS01)

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阪神本線の起点であり利用者も一番多い駅です。

 

ここでは頭塔式の構造になっており、接近放送は簡易、停車中放送、そして発車放送をフルで聞ける駅の一つです。

 

それ故に誰もが一度は通る道になるであろう場所ですが、1番線と2番線、3番線と4番線で比較的放送が被りやすい環境にあります。

 

また、朝ラッシュ時や甲子園での試合開催時は混雑し駅員による手動放送にも被る頻度が一気に高くなります。

 

そのため深夜音量こそないものの割と一筋縄ではいかない駅だったりします。

ここに限った話ではないですが収録する際は粘り強くいきましょう。

野田駅(HS03)


【阪神電車】野田駅ミニ自動放送集

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待合室があり、基本的にはそこ一択となります。

乗車位置案内はなく、ネタの量はそこそこといった印象です。

 

ただし、尼崎行き急行は当然大阪梅田駅と野田駅の2択になります。

大阪梅田駅では完全に運に左右されますが、野田駅では確実に「尼崎で快速急行に接続する」案内を聞くことができます。

 

また、日中は基本2番線、3番線での発着です。

千船駅(HS06)


千船駅 ミニ自動放送集【阪神電車】

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こちらにも待合室があるのでそちらでの収録必至です。

発車放送が特殊で朝ラッシュ時にベルと現放送の声がセットになっており、その形式は千船限定となっています。

 

そのため、全くネタがないわけではなく付帯案内も全てではないにしろ一定数存在するのでこっそり収録する分にはありです。

大物駅(HS08)


放送詳細化!新たな通過メロディーも導入!大物駅ミニ自動放送集 【阪神電車】

阪神なんば線の駅ということで付帯案内はないにしろ乗車位置案内が存在するという構造になっています。

ここでのオススメポイントは区間準急、準急の停車駅案内で「出来島、福、伝法、千鳥橋…」が聞ける点に尽きます。

 

1番線、2番線、3番線にはそれぞれ待合室にスピーカーもあり収録には困らない環境です。

放送も被ることがないので個人的にはオススメの駅の一つです。

尼崎駅(HS09)

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一応、待合室にスピーカーがありますが、阪神なんば線ホームのものは軒並み音量が低くリカバーが厳しい環境です。

それでいて放送も被りに被りまくるので基本的に収録には向かない場所です。深夜帯の音量の低下もあり駅員の放送も被るリスクがあるのでかなり厳しいです。

 

ただし、「阪神なんば線大阪難波までの各駅」や「次は大阪梅田終点です」(男声)、快速急行の連結といった尼崎でしか聞けない放送が数多くあるのも特徴なのでそれらを狙う際はここで収録することになります。

 

3番線で収録する際は神戸方面側にあるスピーカーの音量が高く設置場所も良好なのでそちらをオススメします。

尼崎センタープール前(HS11)

「電車通過後に発車します。」が聞ける数少ない駅で男声では尼崎センタープール前が唯一です。

こちらも待合室で収録しましょう。

 

基本的に普通の発着しかなく、上記の案内以外は特にめぼしい案内はないのでここにこだわる理由がなければ通う頻度は少ないでしょう。

武庫川駅(HS12)


武庫川駅ミニ自動放送集 (メロディ追加更新後) 【阪神電車】

待合室はあるものの、本線ホームにはスピーカーがありません。

そのため必然的にホームに散らばっているスピーカーでの収録となりますが正直言って収録環境はそこまで良いとは言えません。

 

ネタもそこまで多くはないのであえてここを選ぶ理由はないでしょう……

 

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というのは過去の話。

2020年になってから突如本線の待合室にてスピーカーが整備され、元々の待合室の天井の低さも相まって長尺物なんぞ用意しなくても誰でも簡単に密着収録ができる環境に化けました。

 

スピーカーの音量も並かそれ以上はあるので手軽に収録したいという場合には最もうってつけではないでしょうか。

 

ただし、待合室を往復する場合はかなり距離を歩く必要があるのが玉に瑕といったところでしょうか。

 

甲子園駅(HS14)

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甲子園大会開催時には一時的にメロディーも変化することで有名ですが、収録環境は比較的良好で音量も高く、特に1番線は男声で大阪梅田方面の放送を頻繁に聞けるのでネタとしてもかなり重宝します。

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2020年ダイヤ改正後の今となっては8両編成対応に伴うホーム延伸部分に設置されているスピーカーがオススメですが、私は以前、逆に大阪梅田方面に設置されているスピーカーを頻繁に収録の拠点にしていました。

 

深夜帯などは収録に困ることはあまりないですが、試合前後や朝ラッシュ時間帯は混雑により駅員の放送が絶え間なく響き渡ります。

そのため、臨時系や区間急行、区間特急などといった軒並みレアな設定が被りなしで収録するのが結構難しい駅となっています。

 

ただし、収録できた時の達成感は大きいので諦めず通い続けましょう。ファイト!

今津駅(HS16)

待合室にスピーカーがある駅の一つですが音量が壊滅的に低く、深夜帯になるとほぼ聞こえない状態になります。

そのため、ここでの収録はしない方が無難だと思います。 

西宮駅(HS17)

論外。この一言に尽きます。

待合室もなければスピーカーは非常に高い位置にあり密着なんて到底できない環境です。

 

ネタも西宮で録るくらいなら甲子園に行った方がマシレベルなので収録候補からは今すぐに外しましょう。

ただし、改札にあるスピーカーは低めに設置されており、ほぼ常に流れている啓発放送の収録には重宝します。

芦屋駅(HS20)

ここにも待合室にスピーカーがあります。

西宮よりは収録環境に恵まれているので候補としては悪くないと思います。

 

ただし、ネタを重視するなら後述の魚崎駅の方がいいです。

青木駅(HS22)

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ホームが改装され、待合室も設置され、無事密着収録が簡単に可能な環境に生まれ変わりました。

大阪梅田方面ではネタも多く、1番線発着の区間特急では「深江、打出、香櫨園」といった停車駅を男声で唯一聞くことができます。

 

ここ最近では青木発の区間急行も誕生し甲子園よりかは簡単に収録が可能です。

 

それ以外は基本的に普通の発着がメイン…といったところでしょうか。

魚崎駅(HS23)

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待合室のスピーカー、ホームにあるスピーカーのいずれも収録に適しており、特に朝ラッシュ時はネタも豊富です。

区間特急の停車駅をほぼフルで収録する場合は芦屋ではなくこちらの魚崎がバッチリと言えます。

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また、魚崎を除けば今津しかない乗車位置「○4〜7」が存在する貴重な駅です。こういったようにネタに恵まれています。

発車放送も旧式の内容が使われている駅となっており、この注意書きにもある通り朝ラッシュ時に使用される形となっています。

 

駅員の放送も介入される可能性はありますが、狙いたい方はどうぞ。

御影駅(HS25)

待合室はありませんが大阪梅田側のホーム端に高音質のスピーカーがあるので収録には困りません。

ここでしか聞けない放送に特急の「次は神戸三宮に停まります」があります。

それ以外は快速急行が停まらない関係上、乗車位置案内もないのでぶっちゃけ好みの問題となりそうです。

大石駅(HS28)

ameri-sanshinji.hatenablog.com

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待合室ではスピーカーの他、USBケーブルでスマホなどを充電できる設備もあるので拠点にできます。

 

放送としては普通しか停まらないものの実は結構濃いネタが多く、「元町まで先着」だったり「神戸三宮でS特急に接続」だったり、山陽車による回送で流れる男声1番線の発車放送だったりがある隠れた聖地です。

 

ちなみに4番線は回送のほか平日の1本だけ高速神戸行きの発着もありますが…詳しくは以前執筆したブログ記事をご参照くださいませ。

神戸三宮駅(HS32)

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まさに神環境。

どういうことかと言えば、まず西改札側にあるスピーカー(画像)が低い位置にあり、音質も一二を争うくらい良好。そして壁にあるので通行の邪魔にならず3番線には時刻表も目の前にあり確認しながら収録できるという文句の付け所が一切ないこれでもかというほど恵まれた環境になっています。

もちろんネタにも困らず種別のある乗車位置、発車放送も完備、山陽運用の始発でもあり2番線は頭塔式ホームで停車中放送が聞ける…などなど音鉄にとってはまさに天国のような仕上がりとなっています。

 

ただし、欠点がないわけではなく、スピーカーは1番線、2番線で兼用なため、同時使用される時間帯の場合被る可能性が高いこと、駅員の放送がかかるとそちらが優先されてしまうこと、そして西改札側のスピーカーだとどうしても目立ってしまうところが問題です。

 

どうしても収録で目立ちたくない方は東改札側へ移動しましょう。西改札側に比べるとややスピーカーの位置は高めですが絶望的難易度ではなくむしろかなり優しい方なので問題ないでしょう。

元町駅(HS33)

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スピーカーの位置は低く、啓発放送や駅員の放送と全く被ることがないという仕様にはなっていますが、同時発着になると頻繁に放送が被ってしまうところが問題点です。

 

被りが気になる方は神戸三宮を選びましょう。ただし、女声の「当駅折り返し」を筆頭に元町でしか聞けない放送が多いのも特徴です。

西元町駅(HS34)

スピーカーの位置が絶望的なまでに高く、密着はほぼ不可能です。

ネタとしては「阪神直通特急は」といったものがありますが高音質で収録は修羅の道でしょう。

 

また、西元町駅の特徴として何故か付帯案内の内容は阪神アプリでは確認できないようになっています。

元々発車標がなかったというところと旧放送から付帯案内が存在したせいでしょうか……

高速神戸駅(HS35)

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古き良き景色が残る神戸高速線の駅で2016年の改正から阪神電車の放送形式へ生まれ変わりました。

 

ここでは阪急電車の発着もあり、色々と他の駅とは大きく異なる案内形式が特徴です。

通勤特急や通勤急行といった設定や山陽線の各行先などここでしか聞けない放送が目白押しですが、発車標の仕様上、2020年現在では乗車位置案内がなく、走行位置も確認することができません。

 

また、スピーカーの音質は並程度ですが、位置はやや端の方にあるのでどうしてもやや躊躇しがちです。

 

そのため、阪神アプリ頼みになりがちなところがありますが、収録して損はない場所です。

新開地駅(HS36)

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高速神戸駅同様、2016年改正から放送が阪神仕様となりましたが、それに加え、2018年2月28日に予告放送と乗車位置案内が実装され、ネタの深さはトップクラスです。

 

山陽や阪急の行き先だったり、男声の当駅折り返しだったり旧神戸高速線の放送をリスペクトした内容だったりでネタは尽きません。

 

神戸電鉄の放送も回収することができるのでそこも極めれば一級ものです。

スピーカーも高速神戸と違いホームの内側にありやや高めですが密着収録が可能です。

放送がやや被りがちなところもありますが一度は収録に行ってみたいであろう駅の筆頭です。

大開駅(HS37)

ホームの内側にあるスピーカーで音量も高く収録には困らない場所です。

ここでしか聞けないネタは主に「山陽方面直通特急は次の高速長田でお乗り換えください」でしょうか。

 

高速長田駅(HS38)

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一見、収録する環境は西元町や花隈と大差なく、密着収録なんて無理と思いがちですが、実はホーム東側にある階段前に低めに設置されているスピーカーがあり、そこで簡単に高音質で録音できます。

 

ただ、どうしても通行の邪魔になりがちなのが問題といったところでしょうか。

ネタの数も新開地駅の劣化といった感じです。

桜川駅(HS42)

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阪神なんば線近鉄の実質的な境界に位置する駅です。

それ故に発車放送があったり、乗車位置案内があったり、大阪難波からの回送が頻繁に行き来しますが付帯案内は一切ないという異端の構成になっています。

 

こういった面から、難しい付帯案内にこだわらず、ただ黙々と阪神電車の放送の基本構成を学びたい初心者にとっては最適と言えますが、ネタにこだわる方にとっては放送の被りも激しいところもありオススメできません。

ネタを重視するならお隣のドーム前での収録をオススメします。

ドーム前(HS43)

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桜川駅とは打って変わり、付帯案内があり、高音質のスピーカーとかなり収録しやすい環境にあります。

しかも、島式ホームにも関わらず、阪神電車の放送としては唯一隣の発着と放送が被ることがないという仕様になっています。

 

スピーカーは2種類あり、発車標や階段、エスカレーターの近くにある黒い箱型のスピーカーとやや高めの丸型スピーカーですが、音質が大きく違うためその点については要注意です。

丸型のスピーカーの方が割と綺麗に録れるのでそちらを選択することをオススメします。

 

阪神なんば線の放送を収録するなら大物や尼崎を除けばドーム前一択と言っていいほどです。

ただし、京セラドームでのイベント開催時は駅員による放送の被りのリスクや混雑もあるので避けましょう。発車ベルが聞ける貴重な機会ではありますが。

九条駅(HS44)

ドーム前とは違い、スピーカーが兼用で被りが頻発するため被りを避ける場合は控えましょう。英語放送が採用されていますがそちらを確実に録るならば西九条で十分でしょう。

ちなみに九条は快速急行大和西大寺での切り離しがなくなった今、乗車位置5〜10を聞ける唯一の駅になっています。

西九条駅(HS45)

放送が被るリスクがなく内容もほぼドーム前と同一と考えていいですが相対式ホームという点や乗り場の言及がないこと、深夜による音量低下の影響を受けること、駅員による放送の介入がドーム前より多いこと、基本的に待合室一択になることを考えるなら実質的にドーム前の下位互換になります。

 

ただし英語放送があるところと朝ラッシュ時間帯および最終で発車ベルが使われるところはドーム前にはない利点です。どちらを求めるか状況に応じて決めるべきでしょう。

ダイヤ乱れになるとたまに折り返しが設定されることもあります。

 

武庫川線

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武庫川線武庫川駅武庫川団地前駅は待合室にスピーカーがありそちら一択ですが、問題は途中の東鳴尾駅と洲先駅です。

 

この2駅は共にスピーカーの位置が高く、音量も低く、かなり収録環境が悪いです。

いくら無人駅とはいえ、収録の際は無理をしないようにお願いします。

ただ、やはり「切符をお持ちで無い方は〜」などの放送は魅力的ではあります。

 

放送を収録上でまず準備すべきポイント

各駅の放送の特徴を述べた上で次に阪神電車内で放送を録る前にやるべきことをご紹介します。

 

まず一つ目は阪神アプリをダウンロードしましょう。

 

これがあるだけで収録が一気に快適になります。

収録を計画する上で電車の情報を見れるのはもちろん、上記主要駅で見れる「ご案内」で流れる内容がその場にいなくても1発で確認できるようになる優れものです。

 

また、ダイヤ乱れ時には走行位置案内放送が流れるかどうか、表示が取り止められてしまったかどうかがこの「ご案内」の有無で確認できるようになっているので道中での計画の軌道修正もお手の物です。

もちろん、走行位置も確認できるため高速神戸駅といった走行位置が確認できない環境でもタイミングの目安の一つとして働きます。

 

そして、もう一つは秒単位で正確な腕時計を用意しておくことです。

これは予告放送を収録する際に必要となり、発車時刻の7分前、4分前になると約2秒ほどのラグを置いてすぐ流れるので予告放送を確実に収録する際は必需品となります。

 

最後に、阪神電車の放送は日常、非日常共に魅力溢れる放送ばかりです。

この先私が聞いたことのないような放送が聞けることを、そしてこのブログや私の動画を通じてその魅力をさらに伝えていけたらと思います。

 

それでは皆様、いい放送が収録できるよう健闘を祈ります!