阪神電車の駅自動放送トリビア ~遅延限定の位置案内放送編~

「只今、次の電車は…」

阪神電車ではこんな放送が流れることがあります。しかし聞いたことないという方が結構いると思います。なぜなら、この案内放送は遅延した時にしか流れないからです。

今回はこの内容の放送について判明しているところまでまとめていきます。
この放送の最大の特徴は出発しましたと通過しましたの2種類が存在することです。
種別によって使い分けられているというポイントは素晴らしい評価点です。
案内としては短いですがかなり優秀です。

先程遅延した時にしか流れないと言いましたがここで具体的な条件について説明します。
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一見なんの変哲のない発車標の表示ですが現ダイヤにおいて神戸三宮駅からの普通 高速神戸行きは全て何かしらの雑案内が存在し通常はそれをテロップに優先的に表示するシステムとなっています。(高速神戸まで先着、新開地行きに接続など)
しかし遅延により運転計画が乱れると先着や接続といったものの案内は正確にならなくなる事態へ発展します。
この際に細かな案内を取りやめ、代わりに電車の走行位置を知らせる案内が放送される、という仕組みになっています。
この仕様の為この時必然的に雑案内は存在しません。

この放送で興味深い点は元町や御影といった直通特急の停車する駅はもちろん大石や青木といった駅が基軸となっているところです。

実は青木駅大石駅は発車標こそ存在しませんが放送は詳細型を採用しています。(青木は過去急行や快速急行の停車駅であり現在も区間特急が停車、大石は大昔の山陽電車阪神乗り入れ最東端故に)
つまり詳細型放送が流れる駅を拠点に電車の発車、通過を知らせているということです。

ではここでいつからこんな内容の放送が導入されているかについて説明します。
正解は実は阪神なんば線開業前の旧放送時代からです。(この動画の最後で該当の放送が聴けます)

この時はこれにより存在は把握していましたが現放送で確認したのは2016年の春頃です。

その時は元町と神戸三宮限定かと思っていましたが後にTwitter情報で武庫川などで流されたことを確認され、その上通過しましたという亜種が発覚。
私がこの放送を録って事実関係を確認しました。

まさか男声版まで普通に存在するとは思ってませんでした…
正直「神戸三宮を」などとご丁寧にパーツ更新までされているのなら通常時でも使って欲しいものです。
初めてあの内容で旧放送時代の音声を聴いた時は阪神電車の放送ではないのではないと疑っていましたが今ここまで詳細が判明するとは思いませんでした。
もし阪神電車の遅延に遭遇したら一度確認してみてはいかがでしょうか。