阪神電車トリビア~当駅止まりと回送の違いの考察~

イメージ 2阪神電車では非営業電車の表示が二つ存在します。
それがこの「当駅止まり」と「回送」です。

ぶっちゃけ相貌としては両方とも全く同じで大まかに差を挙げるなら“客を乗せていたかそうでないか”程度です。

しかし前者でも一部ではこのように回送表示を見ることができます。

イメージ 1
※この設定は新開地止まりです

ここで一つの疑問が生じます。「当駅止まりって表示できない条件があるのか」と。
結論を言えばその通りです。

ということで具体的に説明していきます。


まず当駅止まりの表示を頻繁に見かける駅を挙げていきましょう。
阪神電車の駅ではおそらく主に尼崎駅、西宮駅高速神戸駅が出てくるはずです。
この3駅の共通点は引上線や車庫が存在することです。
この時点で分かった方もいると思います。
しかしながら厳密にはこれらの駅では全てが全て当駅止まり表示するわけではありません。
イメージ 3
山陽普通の高速神戸止まり。
駅発車標では回送表示となっています。
車両では回送表示と同時に次に運用する行先を出すのが暗黙の了解となっています(素早く準備する事でスムーズに運用を切り替えるようにする為)。
そう、つまりこの電車は一旦新開地まで非営業として移動します。

それが具体的な当駅止まりと回送の表示条件違いです。


尼崎駅や西宮駅高速神戸駅で頻繁に見かける当駅止まり表示は全て運転終了後車庫や引上線に入りそのあと逆出発する運用となっています。

一方で神戸三宮駅などの回送表示の当駅止まりは運転終了後転々と駅を移動しています。

つまり当駅止まりでも駅を移動している場合は全て回送として扱われているということです。


では他にこのような条件ではどうなのかというのを単刀直入に結論を説明します。

・尼崎駅で切り離された快速急行→回送表示
・到着後次の日まで駅に留置される電車→当駅止まり表示
となります。

つまり1枚目の梅田駅の当駅止まりの表示は留置するという意思を意味します。


ではここまでの説明をまとめてみると…

1.当駅止まりは営業運転した後に留置及び引上線移動する電車のみ表示する
2.回送は前に営業運転していたかの有無に関わらず駅の間を客を乗せずに移動する電車全てで表示する
3.切り離された快速急行は回送表示

となります。

この条件があからさまに分かるのは甲子園駅で当駅止まりとして引上線に入る区間急行、石屋川や西宮まで移動して待機する臨時特急、他にもダイヤ調節で移動中の回送が停車したりそのまま通過したりと様々な運用による違いがあります。

また、阪神電車以外にも山陽電車なども同じ形式が採用されています。(東須磨行きの大半は当駅止まり、姫路からの須磨行きは東須磨まで移動するので回送表示)

今一度設定を観察してみてはいかがでしょうか。
(正直表示撮影や放送採取にしか役に立たないと思いますが)