阪神電車の駅自動放送トリビア~基本編~

ここでは阪神電車の駅放送の基本的な内容及び詳細について書いていきます。

 

 

予告放送

阪神電車の予告放送は電車の種別、行先、乗車位置、車両切り離しの詳細を案内します。
 

○番線に(神戸高速線内では○番乗り場に)(相対式ホームでは省略)

次にまいります 電車は

○○行き [種別]です。

足元の ([種別] 神戸三宮駅1番線のみ) ○(or△)印 ◇番から ◆番で お待ちください。

 

(+英語放送)

 

元々阪神電車に予告放送は存在しておらず、2009年の阪神なんば線開業で近鉄が乗り入れたのですが、その際に阪神車両と近鉄車両とで扉の数が違っている問題が発生した為に追加された案内形式となっています。

 
元々阪神電車に予告放送は存在しておらず、2009年の阪神なんば線開業で近鉄が乗り入れたのですが、その際に阪神車両と近鉄車両とで扉の数が違っている問題が発生した為に追加された案内形式となっています。
 
故に予告放送が存在する駅は近鉄車両が乗り入れかつ快速急行の停車する駅のみとなっています。(新開地、高速神戸のみ近鉄車両は乗り入れておらず、それぞれ2019年2月28日、2021年5月11日より予告放送が使用開始されました)
 
対象駅:桜川、ドーム前、九条、西九条、尼崎、武庫川、甲子園、今津、西宮、芦屋、魚崎、神戸三宮 ★高速神戸 ☆新開地(3番乗り場除く)
 
なお、非営業列車(回送、当駅止まり)などの乗車位置が案内されない電車や連結が存在する設定以外は条件を満たしている駅なら全ての設定で流れる可能性があります。
よって、頻繁に折り返しが設定されている新開地駅2番乗り場や接近放送が特殊な神戸三宮駅2番線であろうとタイミングさえ合えばどんな設定であろうと必ず流れます。
 
予告放送のタイミングは次の電車との間隔が乗り場で8分以上の場合、その電車の発車時刻のおよそ7分前と4分前に流れます。
ただし、発車時刻7分前を切っていた場合その分予告放送が流れるタイミングがずれます。その場合基本的には前の電車発車後すぐと考えていいですがかなり微妙なところが多いです。そして発車と次の電車との入線の間隔が極端に狭く前の電車が出発した時点で次の電車の発車時刻4分前を切っている場合は流れません。
 
具体例として、神戸三宮駅での山陽普通(ただし平日朝の時間帯のものは間隔が4分前なのでギリギリ流れる可能性あり)や新開地駅での霞ヶ丘行き、甲子園駅での区間特急大阪難波行き快速急行(改正後新設された夜設定の場合はタイミング的に確実に流れる)などはどうあがいても予告放送が流れる隙はありません。
 
なお、途中で車両の切り離しが存在する場合は乗車位置の案内の直後に続けて案内されます。
 
車両切り離しは尼崎駅の場合と大和西大寺駅の場合で放送の内容がやや異なります。
 
聞き比べはこの動画にて。↓
 詳細はこちら↓

ameri-sanshinji.hatenablog.com

 

また、2020年春頃に大阪梅田、尼崎、甲子園、神戸三宮、九条、西九条ではReadspeaker(旧Voicetext)による英語による案内も予告放送、停車中放送の最後に追加されましたが、普段から設定の多い設定に限る他、内容もかなり雑になっています。

 

ameri-sanshinji.hatenablog.com

入線/接近放送

接近放送は種別、行先はもちろんここで停車駅や接続案内や先着案内などを案内します。
 
ここからはざっくり案内する順番と詳細を説明します。
 

1.冒頭

[♪接近予告メロディー](基本的には「線路は続くよどこまでも」ただし甲子園駅では期間限定で異なったメロディーを流す場合あり)
まもなく
○番線に(神戸高速線内では○番乗り場に)(相対式ホームでは省略)
当駅折り返し(スイッチバックする場合)
各駅停車 ○○行きが まいります。or○○行き [種別]が まいります。
黄色い線の内側へお下がり下さい(2016年改正前一部駅:白線の内側へお下がり下さい)
回送の場合
まもなく ○番線に (○番乗り場に) 回送車が まいります。
黄色い線の内側へお下がり下さい(2016年改正前一部駅:白線の内側へお下がり下さい)
当駅止まりの場合
まもなく ○番線に (○番乗り場に) 当駅止まりの 電車が まいります。 ご乗車にならないよう願います。
黄色い線の内側へお下がり下さい(2016年改正前一部駅:白線の内側へお下がり下さい)
非詳細型(2019年まで)
(○番線に) 電車が近づいてまいります。
白線の内側へお下がり下さい。
※貸切の場合は下記(簡易接近放送の項)を参照
 

2.停車駅

各駅に停車する場合
各駅に停車します。
停車駅がある場合
停車駅は … △△です。
停車駅がありかつ途中駅から各駅停車の場合
●●までの 停車駅は … □□です ●●から ○○まで 各駅に停車します。
途中まで各駅停車の場合
停車駅は □□までの 各駅と … △△です。
次の駅が終着かつ通過駅がある場合
次は 終着 ○○です。
次は 大阪梅田終点です。(大阪梅田行きの場合)
 
※次の駅が終着かつ間に通過駅がない場合:〔省略〕
 
御影駅で次の停車駅が神戸三宮駅の特急かつ高速神戸以遠の駅が終着の場合
次は 神戸三宮に 停まります。
☆停車駅案内は上り、下りで細かく基準が設定されており、高速長田直通特急(黄)の場合、上り阪神 大阪梅田行きは、「大開、新開地、高速神戸、西元町、元町…」と と言ったように全ての停車駅を丁寧に読み上げますが、反対に下り山陽姫路行きは間に西代しかなかろうと「板宿までの各駅」とまとめて案内されるようになっています。
 
また、神戸高速線内(高速神戸から高速長田)では行き先を含めて阪神と阪急で同名の駅が存在する場合、きちんと【阪神】【阪急】と区別されるようになっています。
 
(対象駅:阪神大阪梅田/阪急大阪梅田、阪神御影/阪急御影、阪神春日野道/阪急春日野道、阪神神戸三宮/阪急神戸三宮)
 
他にも、尼崎での区間準急、準急の停車駅は「阪神なんば線 大阪難波までの各駅」と案内されるのに対し、大物より東では「出来島、福、伝法、千鳥橋…」といった具合に異なります。
 
ただし、直通特急でも山陽須磨行きや高速神戸行きといった明らかに定期設定で絶対に出ないような行き先が設定された場合はバグ防止も兼ねてか、きちんと全ての停車駅を丁寧に読み上げるスタイルとなります。(ただし、東二見行きは過去に設定があったため例外扱いとなっている模様です)

3.臨時停車

この[種別]は △△に 臨時停車します

4.乗車位置

足元の ([種別] 神戸三宮駅1番線のみ) ○(or△)印 ◇番から ◆番で ご乗車ください。

5.ご案内

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阪神アプリ内での「ご案内」の部分にあたります。
なお、阪神アプリや発車標でのご案内の表記と実際の放送では一部異なる場合がありますが、大抵はその内容がそのまま放送されるようになっています。
 
ただし案内の種類が多すぎる為、一部代表的な案内のみ紹介します。
 
大前提:どんな案内であろうとも放送が流れた時点でその内容の電車が先発ではない場合全てカットされます。
また、一部駅や設定ではご案内そのものが存在しない場合があります。
 
・(… ■■方面) 山陽電鉄方面 神戸電鉄方面へ お越しの方は この[種別]に ご乗車の上 [駅名]で お乗り換えください。
 
・この[種別]は △△で □□行き [種別] (or山陽電車)に接続します ■■(方面)へお越しの方は[種別]にご乗車の上 △△で ([種別]に) お乗り換えください
 
・[駅名]まで(には) この[種別](電車)が 先に到着します
 
・この各駅停車は 快速急行 到着後 発車します (神戸三宮駅)
 
・この[種別]は △△から ■■行き [種別]になります
 
・○○(方面)へ お越しの方は あとの [種別]に ご乗車ください
 
・電車 通過後に 発車します (尼崎センタープール前駅)
 
・[阪急or阪神or山陽]方面には ○○で 連絡します (神戸高速線)
 
・この電車は ○○で ◇◇行き [種別]に 連絡します (神戸高速線)
 
・□□行き 電車の 運転は終了しました この[種別]に ご乗車ください
 
・この[種別]は ○○で ◇◇行き 最終に連絡します
 
・この電車(or[種別])は △△行き 最終電車です
 
実際の放送動画↓

6.ご乗車の際には (電車とホームの間が空いておりますので) 足元にご注意下さい

放送の一番最後に流されます。
当初この案内はホームと電車の間隔が広い駅限定で「電車とホームの間が空いておりますので」を含めた案内になっておりましたが、2019年2月7日より詳細型を採用している全ての駅でこの案内が流れるようになりました。
 
(「電車とホームの間が空いておりますので」が追加される対象駅:淀川(2番線)、姫島(1番線)、杭瀬(1番線)、大物(1, 2番線)、鳴尾・武庫川女子大前(2番線)、御影、岩屋(1番線)、西元町、高速長田、桜川(2番線)、ドーム前(1番線)、九条、西九条)
 
実際の放送動画↓
 

7.接近メロディー

2019年2月7日に武庫川線で導入された接近メロディーが同年2月13日より大物駅、杭瀬駅にて使用されることになりました。
 
3月28日の時点で一部駅では入線間隔の調整のため流れないようになった駅および設定も存在します。最大5コーラスまで流せます。
 
実際の放送動画↓

通過放送

[♪通過接近メロディー] まもなく ○番線を 電車が 通過します。 黄色い線の内側へお下がり下さい。 (白線の内側へお下がり下さい) (※繰り返し)
(2019年放送更新後に追加:通過メロディー×1~4コーラス、流れない駅もあり)
 

簡易接近放送

簡易接近放送のパターンは2種類あります。

まず1つ目はこちらのタイプです。

こちらは通常の接近予告メロディが流れ、「まもなく ○番線に 電車がまいります 黄色い線の内側へお下がりください」これを繰り返した後に「ご乗車の際には (電車とホームの間が空いておりますので) 足元にご注意ください」と接近メロディが駅毎の設定回数分流れます。

 

[♪接近予告メロディー](基本的には「線路は続くよどこまでも」ただし甲子園駅では期間限定で異なったメロディーを流す場合あり)
まもなく
○番線に(神戸高速線内では○番乗り場に)(相対式ホームでは省略)
電車がまいります。
黄色い線の内側へお下がり下さい(2016年改正前一部駅:白線の内側へお下がり下さい)

 

(※繰り返し)

 

ご乗車の際には (電車とホームの間が空いておりますので) 足元にご注意ください。

 

この場合、発車標は種別と発着順しか正常に出せない状態にあります。このため、駅毎の設定は反映され回送や通過、当駅止まりの判別は可能でも放送はこのようなプロトタイプの状態となります。

なお、貸切入線も共通でこの簡易放送となります。

 

そして、もう一つのタイプがこちら。発車標が全く機能しなくなった場合の簡易放送です。

 

この場合放送は

まもなく ○番線に (神戸高速線内では○番乗り場に)(相対式ホームでは省略) 電車が近づいてまいります 黄色い線の内側へお下がりください

(※繰り返し)

 

(接近メロディ×5回固定)

となります。

 

f:id:Ameri_Sanshinji:20191013223918p:plain

簡単に図にしてまとめるとこんな感じです。

見比べてみるとぱっと聞いただけでは内容は同じに聞こえる簡易放送でもこれほどの差が存在するのです。

 

ダイヤ乱れやシステムの故障等に運悪く遭遇した時はふと確認してみるのも乙ではないでしょうか。

停車中案内

大阪梅田駅1, 2, 3番線の場合

○番線の 電車は

各駅停車 ○○行きです。or○○行き [種別]です。

【2.停車駅】

【3.臨時停車】

【5.ご案内】 

ご乗車の際には足元にご注意ください。

発車までしばらくお待ちください。

 

(+英語放送)

 

大阪梅田駅4番線、神戸三宮駅2番線の場合

○番線の 電車は

各駅停車 ○○行きです。or○○行き [種別]です。

【2.停車駅】

【5.ご案内】

発車までしばらくお待ちください。

【3.臨時停車】

ご乗車の際には足元にご注意ください。

 

(+英語放送)

(※回送、当駅止まり、簡易放送適用時は案内なし)

 

終点の大阪梅田駅及び神戸三宮駅2番線限定の案内です。

 
ここでも種別行先を案内しますが、何故か順番が大阪梅田駅1, 2, 3番線の場合と大阪梅田駅4番線、神戸三宮駅2番線とでそれぞれ異なっています。
 
2019年2月7日より大阪梅田駅、神戸三宮駅において「ご乗車の際には 足元にご注意ください」の案内が追加されました。
 
大阪梅田4番線、神戸三宮の場合は発車までしばらくお待ちくださいの後に、大阪梅田1, 2, 3番線の場合はその直前に挿入されます。
 
また、前述の通り2020年春頃に英語放送が追加されましたが、全設定適応というわけではないのでご注意を。
 
実際の放送動画↓

発車放送

発車ベル搭載駅:[発車ベル] 扉が閉まります。 (扉に)ご注意下さい。
この案内は手動操作となっており駅員または車掌がボタンを押して流す仕様となっています。
なお、2009年の阪神なんば線開業前から一貫して同じ音声を使用しています。(千船駅などの例外あり)
ただし2018年に一部駅で「扉に」の部分が省略されるようになりました。(阪神なんば線内などでは未だに未更新)
 
桜川駅、元町駅(営業電車):[♪発車メロディー(冒頭)] 1(or2)番線の 電車が 発車します。 扉が閉まります ご注意下さい。
 
大阪梅田駅、神戸三宮駅大石駅(1, 4番線のみ)(営業電車):[♪発車メロディー(冒頭)] ○番線の 電車が 発車します。 [♪発車メロディー] 扉が閉まります ご注意下さい。
 
回送(上記5駅):○番線の 電車が 発車します。 ご注意ください。
 
高速神戸駅、新開地駅(営業電車):[♪発車メロディー(冒頭)] ○番乗り場の 電車が 発車します。 扉が閉まります ご注意下さい。 [発車ベル]
 
回送(上記2駅):○番乗り場の 電車が 発車します。 ご注意下さい。 [発車ベル]
 
※当駅止まりの場合は省略
 

注意喚起

○番線(or乗り場)から 電車が 発車します。 ご注意ください。
(※繰り返し)
 
この案内は大阪梅田、尼崎、甲子園、神戸三宮、新開地のみ存在する降車ホーム及び両サイドのホームの場合に存在する案内です。
発車完了まで繰り返し放送します。(以前は2回まででした)
 

走行位置案内放送

只今、次の[種別]は (駅名)を 出発(通過)しました。
 
という案内です。基本遅延時のみで実は阪神なんば線開業前、もとい旧放送及び旧メロディ時代の頃から確認されています。
 
この仕様により後天的に放送システムの管理下に追加された神戸高速線ではこの案内はありません。(2019年現在)

導入当初は「只今 次の 電車は〜」という案内でしたが、2019年の接近メロディ追加と同時に種別も案内するように改良されました。
 
出発及び通過する際に参考される駅名:(大阪梅田)、野田、千船、尼崎、尼崎センタープール前武庫川、甲子園、西宮、芦屋、青木、魚崎、御影、石屋川、大石、神戸三宮、元町、(高速神戸)
 
《要調査》桜川、ドーム前、九条、西九条
 
※()は参照されるもののその駅自体では流れません
 
これらの駅を見るにおそらく開通信号が設置されている及びシステムの起点、退避場所などの駅が該当している模様です。
千船、石屋川といった接近メロディ追加前は非詳細型だった駅が対象なのに対し今津といった詳細型は対象になっていません。
 
また、この放送が流れるタイミングは遅延時限定で、阪神アプリや発車標で上記のご案内が流れなくなった際に代わりに流れるようになっています。もちろん放送の文面の通りでその乗り場に次に到着する電車の出発、通過が確認された時に流れます。
回送、当駅止まりに関してはそもそも流す必要がないのでもちろん流れません。
 

収録する際はこちらの発車標や阪神アプリの「走行位置」とにらめっこするのがオススメです。
2, 3秒ほどのラグはありますが出発、通過を確認した(前々駅及び前駅から間の位置に変わった)瞬間すぐに流れます。

★コラム

臨時特急になってしまう定期特急

阪神電車ではダイヤが乱れると時折、定期設定であるはずの特急や急行が、何故か「臨時特急」「臨時急行」として扱われてしまうことが確認されています。

 

発生条件は現在不明で接近メロディが導入されてからはそのような報告は聞かなくなりましたが運用変更が生じるとどうやら謎のバグが発生する傾向があるようです。

 

こちらも「臨時特急」としては定期設定が存在しないためか、全ての停車駅を案内する仕様になっています。

 

基本編は以上となります。